こんにちは、特殊清掃.ASIAです。

3月になり気温も上がり春に近づいて参りました。

それでも北海道はストーブを焚いているお宅もまだまだあると思います。

ブログ掲載できませんので某所と言っておきますが灯油漏洩の消臭作業を行っているので、今日は灯油が漏れてしまった場合の「注意点5つと作業方法8段階」をお伝えしようと思います!

ご参考にして下さい。

1⃣灯油漏洩消臭の注意点

1.大量に灯油が漏れている場合

弊社に依頼が多いのは2階で漏れて1階まで灯油が漏れてしまったというパターン。

これは一軒家、マンションとも同様で階下に漏れてしまった場合は天井、床、壁とはがして灯油が浸透した部分を交換しないといけません。

原因としてはストーブと灯油タンクをつなぐゴムホース・銅管の劣化で知らぬ間に漏れていたということが多いです。気付いた時にはかなり浸透していたというのは悲惨です・・・。

大量に漏れた場合は液体から気化しませんから早めに対処しないと頭痛や吐き気を催しますし、換気をして寒い思いもしますのでとにかく早く対処しましょう。

時間が経っても自然には消えません!

2.少量の場合

すぐに雑巾やウエスで拭き取る、小麦粉をまくなどの民間療法もありますがそんな程度で臭いが消えるレベルなら苦労しませんw

弊社の現場で必ずといってもいいほど見かけご依頼者が使用されているのがホームセンターで購入できる『イナクサー』。

これも少量だと大変効果がありますが、大量に漏れている場合だと柑橘系の臭いが灯油と混ざって変な臭いになるのと、少しオイリーなタイプなので散布すると少しベタベタになりますので使用には十分にご注意下さい。

あくまでも簡易的な対応用と思っていたほうがいいので、大量に漏れているような場合は使用を控えてください。(逆に柑橘系の臭いが邪魔して作業がしにくくなるため)

3.保険の対応可能か?

灯油が漏れてリフォームが必要な場合は数十万円~数百万円かかる場合がありますので「自分が加入している火災・家財保険等が対応出来るのかどうか?」という確認をして下さい。

お金が補填されるなら早く作業をしない理由がありません。

加入している保険の種類によっては「清掃はいいけど、消臭では保険代は出ない」と言われるパターンもありますのでよく確認しそういった場合でもご相談下さい。

4.過去の問題点

灯油の漏洩は店舗や賃貸マンションなどの場合もあり、弊社の依頼者が管理会社、大家さんなどの場合がありますが、依頼者側にすると「なるべく早く、安く解決したい」という想いがあります。

しかし、借主側(被害者側)は「きっちり直して欲しい」という想いが強いことがあり、これをきちんと対応しないと後々のトラブルになることがあります。

上下階が違う住人の場合は一時的に避難して別の住居に引っ越しをしてもらってフルリフォームに近い作業を行うこともあるのですが、依頼者も被害者も弊社もスケジュール調整が大変です。

両者の意思疎通がなっていないと感情的になってしまうことあるのでご注意下さい。

あと、後から第三者が登場する場合も揉めます・・・。

2⃣弊社の施工方法 8段階

1.灯油漏洩調査

まず、灯油がどこまで漏洩していて浸透しているのかを調査します。

思っているよりも広範囲に漏洩していることが多いです。

お部屋の数や空間が広い場合はマスカー(塗装現場で使う養生シートみたいビニール)などで区切ってどこが原因なのかを空間を狭めながら確認します。

お見積りに伺うときには大抵のお宅で窓を開けていたり、換気扇を回したりしているので臭気強度もわかりませんし、発生源以外の浸透箇所がわからないので空気の流れを遮断して一日様子を見た方が本当は良いです。

臭気センサーも使用するのですが、幸いにして灯油に反応しやすい機械なので灯油臭い箇所は数値がグンを上がります。

お部屋全体が臭い場合は鼻が馬鹿になってしまってどこで臭いがするのかわからなくなってしまうこともありますが、機械を使用することによってわかりやすくなります。

臭気センサーは万能ではありませんが、参考値として表示させて頂いております。

このような機械は専門的なので高価で約40万円です。

もっと高いのももっと安いのもありますが、現在日本除菌脱臭サービス協会推奨の機械ということで全国各地の特殊清掃業者がデーターを集めています。

2.リフォーム

これは弊社に一貫してご依頼頂いた場合は消臭作業をよく依頼している提携業者さんと連携して作業しますが、ご依頼者が先に依頼された業者さんの場合は専門ではないのでよく手直しをしてもらうことがあります。

出来れば初動から弊社にご依頼頂きたいのですが先にリフォーム業者さんに依頼した場合は1番と2番の手順が入れ替わることがあります

臭いの発生源を除去しないと臭いは発し続けます!

乱暴なリフォーム業者さんだと「埋めてしまえばわかんないじゃね?」というところもありますが後々臭いが漏れて再リフォームということもあります。

弊社では「リフォーム業者に依頼したけど灯油の臭いが取れないので何とかして欲しい」ということの方が多いですね。

消臭の知識がある業者さんの方が少ないので当然と言えば当然です。

※上記写真はイメージです

3.灯油の洗浄

灯油を中和させる中和剤を使用し清掃した後に「エクストラクター」という機械を使って清水に回収剤を混入して洗浄しながら、同時に汚水を回収します。

下の写真の緑の機械がそうですが、洗浄用の先端部アタッチメントなどを入れると60万円位です。


下の写真は回収した化学反応した汚水です。


ご覧のように乳白化して臭いも灯油の臭いは殆どしません。

因みにこの回収した灯油が混ざった汚水は産廃で廃棄処分しないといけませんので下水道に流すのはNGです。

その後よく乾燥させます。場合によってはヒートガンを使用し揮発させます。

4.防臭剤塗布

躯体的にもこれを除去するとかなり大工事になる、予算が無いなどの場合は社外秘の防臭剤を数種類、数度にわたってコーティングします。

防臭剤も500mlで2万円するものもあり大変高価です。

ただし、問題点としては数年後、数十年後にどうなっているかまでは保証できません。
過去のデーターが無いからです。

乱暴な言い方かもしれませんが繊細な方、心配性な方、お金はいくらでもかかっていいから完璧にして欲しい方はこの工法はお奨めしていません。

3で洗浄はしていますが、躯体に侵入した灯油を全て回収しきれない場合が多いのです。

灯油を躯体内に封じ込めるのであまり良い影響と思えませんが「まずは臭いを何とかして欲しい」という場合に対応しています。

5.消臭剤散布

化学物質に対応した業務用消臭剤を「フォグマスター」という細かい霧状にする電動噴霧機で散布します。

数千円で購入できる加圧式の安い物もありますが、最小7ミクロンという細かい粒子を出すことが出来ますので吸着しやすく性能が違います。

こちらは10万円前後します。

消臭の効果と湿度を上げるという効果もあります。

この後のオゾン脱臭において化学反応をより向上させるのに必要な前作業となります。

6.オゾン脱臭

消臭剤散布後に高性能オゾン発生器を稼働させます。

まだ経験不足の業者さんは「なんでもオゾンを発生させれば臭いは取れる」と思っていますが、灯油はオゾンでも分解しにくい物質でこれだけでは満足のいく消臭作業は出来ません。

ですから灯油漏洩の場合はオゾン脱臭前の前作業が重要になり、残りの1割の部分で稼働させるイメージです。

数度、換気を繰り返します。

寒い時期の作業が多いので室温管理も必要です。

因みに黄色い機械がオゾン脱臭機ですが80万円前後します。

最近では小スペックの機械で5万円代とか中国製の1万円代の激安の機械がありますが性能は全然違いますので「安物買いの銭失い」にならないようにご注意下さい。

この作業のすぐあとは臭いが消えた感じがしますが、数日経過して「臭い戻り」がある場合は再施工です。ですから、最近ではある程度、作業期間に余裕を頂き確認日も設けています。

その方がお互いに安心です。

「安い」、「早い」が良いとは限りません!

7.マスキング法

オゾン脱臭後にまだ臭いが気になるようであれば市販の薄めの芳香剤や消臭剤を使用して臭いの種類を変える方法(=マスキング法)も有効です。

灯油の臭いが強く残っている場合はダメですが、ある程度の集中して臭いを嗅ぐとするレベルまで下がっているような場合は有効です。

実際にお引渡しする際には6番で終わります。

これは強くて違う臭いにしてしまうと「誤魔化した」と誤解を生む場合があるからです。

実際に実力のない消臭業者はこういった手法で引き渡し、作業完了のサインを頂いた後は「知らない」というスタイルで全国各地でトラブルが起きているそうなのでご注意下さい。


弊社では「臭い戻り」があった場合はアフターフォローで無償対応させて頂きますが現在のところ何度も施工するような現場はありません。

8.報告書

作業完了後に数値を計測した物や作業風景写真を簡単ではありますが報告書としてまとめてお渡しすることも可能です。

管理会社さんなどでは必要になるかもしれませんので一言言ってくだされば作成します。

最後に・・・

そもそも灯油ストーブを使う地域が北海道、東北、北陸地方が多く全国的には灯油漏洩の依頼が少ないので灯油消臭技術や消臭方法がなかなか進歩しないようです。

弊社でも試行錯誤しながらの作業で、旭川市の㈱Beクリーンの加藤専務にアドバイスをもらいながら施工実績を重ねています。道北、道東方面でお困りの方はリンク先を貼っていますので連絡をしてみてください。

道央圏は弊社にご依頼くださいw

灯油漏洩の場合は色々と専門道具も必要ですから、北海道では特殊清掃業者といえども対応出来る業者は極稀(スーパーレア)です。


【もし、ご自身で消臭作業をすることになった場合】

オゾン脱臭機 80万円、フォグマスター10万円、エクストラクター60万円、臭気測定器40万円・・・その他消耗品代などを含まなくても機械だけで200万円近くの投資が必要となります。

更にリフォームもするとなると別途費用がかかります。

臭気が強い場合は複数台必要になりますのでもう少しかかります。

そして機械なので一度買ったら永遠に使用できるものではありませんので、それなりの作業代を頂かないといけないことはご理解下さい。

臭気濃度や作業困難度、作業範囲などで変わりますが数万円~数百万円になることもあります。

お見積りをさせて頂かないと正式な金額は出せませんが、余程のトラブルが無い限りには追加料金は発生しません。

灯油のにおいは体調が悪くなってしまいますので我慢しないでまずはお気軽にご相談下さい♪

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