北海道 特殊清掃.ASIA の久保田です。

今週はニオイにまつわる現場が多く、消臭のことについて、消臭の施工方法について色々考える1週間になりました。

特殊清掃業界でいう消臭は、「ニオイの原因となる汚れを清掃なり、リフォームなりでなるべく取り除いた上で消臭を行う」というのが基本ではありますが、ニオイの元がある状態でニオイを消す練習も必要です。

リフォームや清掃・・・とまでなってしまうと費用が高くなってしまって出来ない。
費用は足りないけど、現状のニオイをなるべく消してほしい!というケースも少なからずあります。

ニオイの元をある程度残したままでも消臭を行う事が出来るようになれば、それ以外の消臭のレベルも上がります。

幸いにも、弊社にご相談頂くご依頼者様の中でも、経済的な理由で消臭やリフォームまでは依頼できないけど猫部屋・犬部屋の片付けをしてほしい。
「室内に溜め込んでしまった生ごみを片付けてほしい」
「体液や血液の特殊清掃をしてほしい」
「ニオイの問題については、物を片付けた後に様子を見る」というようなご依頼も多く、中には臭気強度が強めの現場もあります。

そういった現場でご依頼者様に事前に許可を頂き、条件があった場合は無料で新しい消臭施工を試させてもらうというのもありなのかな?と考えております。

恵庭市で猫部屋の飼育崩壊


先日は、恵庭市にて猫部屋の飼育崩壊となってしまった方のお部屋のお片付けということで、畳や建具に染みた猫の尿によるアンモニア臭と糞臭の充満するお部屋で廃棄品の梱包作業を行いました。

こちらは予算の関係もあり、消臭は行えなかったのですが、ニオイの強度は比較的強いお部屋でした。

お部屋はリビングと和室、洋室の2LDKの間取りで、上の写真はリビングになります。

飲みかけのペットボトルが大量にあったのでをそちらの仕分けに少し時間がかかりましたが、

他の2部屋に比べると、リビングについては作業序盤から比較的ニオイが少なめの印象でした。

↓ リビング 搬出・床洗浄後


ソファーベッドの痕が付いてしまっていますが、床表面の汚れは洗浄を行い、見た目・臭気ともにだいぶスッキリしました。

作業前は床が見えなかったのでビフォーアフターが分かりやすいですね。

↓ 和室・洋室 作業前

3つあるお部屋の中でも上記の2部屋は特にニオイが強く、和室の左手前付近が猫のトイレになっていたらしく、物を避けていくと沢山のポロポロとした糞と尿がしみ込んだ衣類などが見え、まもなく天然の?アンモニア臭が上がってきました。

嗅覚だけでは役割を請け負いきれなかったらしく、目にも刺激がありました。

とても純度の高いアンモニア臭だったので、少し手が止まりかけましたが、得意の口呼吸に切り替えて作業を続行しました。

↓ 和室・洋室 作業後

和室の畳にある黒い染みは猫の尿痕です。

何度も何度もこの場所でトイレしていたことが想像できます。

洋室については、写真だと一見綺麗めに見えますが、こちらも猫の尿臭が強かったです。

消臭や洗浄の手をかけてみたい気持ちをグッとこらえてお部屋をあとにしました。

最後の立ち合い確認時、ご依頼者様も「予想よりも綺麗になってて驚いた!」ということでお喜び頂けたので良かったです。

ネコは本来、ニオイのない動物?


本来、猫は外敵から身を隠すため、獲物に気づかれないようにする為に本能的にニオイを消す動物です。

私も20年間以上ネコを飼っていたので少しだけ分かりますが、猫は1日のほとんどを毛づくろい(グルーミング)をしたり、日向ぼっこをしてカラダの手入れをします。

ニオイの原因でもある菌の繁殖を抑えるため紫外線による消毒と合わせて皮膚の湿度を下げているという目的があるそうです。

「1日中寝っ転がっているだけ・・・」と思っていたのですが、根拠に基づいた本能的な行動だったんですね。

逆に、そういった本能的な行動が出来ない(ニオイを消せない)環境というのは猫にとっても相当なストレスがかかると考えるのが妥当でしょう。

仕事柄、猫部屋の清掃や消臭を行う機会は多いですが、あまりにひどい状況を目の当たりにしてしまうとそのたびに心が痛みます。

ネコちゃんは飼い主さんを選ぶことは出来ません。
飼い主さんにはどうか責任をもってペットを飼っていただきたいと心から願っております。

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